少し前までは非常に高価だった防水カメラも、今は手頃な価格で手に入れるようになり、さまざまな種類が販売されています。しかし選択肢が増えた分、どのカメラを選べば良いのか分からなくなってしまいますよね。
防水カメラ選びに重要なことは性能や価格の違いを考える前に、まず海遊び・プール・ダイビングなど自分の使用用途を決めることから始める必要があります。
この記事では希望の用途別にお勧めの防水カメラを紹介しましょう。
防水カメラの基礎知識
防水カメラを選ぶ時に、用途別にカメラ選びが必要になる理由として、カメラの防水性能は求められるレベルによって変わるということがあります。
まず、防水カメラの代表的な防水のレベルをまとめてみましょう。
防水と防滴の違い
カメラを選ぶ時に「防水カメラ」「防滴カメラ」などのいくつもの説明があることがありますが、この違いがよく分からないという意見が多いようです。
簡単に説明すると「防滴は水滴が入るのを防ぐこと」「防水は外から水が入り込まないように加工すること」なので、防水の方が水に対しての防御力が高いということですね。
防水レベルの基準
少しの雨からカメラを守る程度の生活防水の機能と、ダイビングの時に必要な防水機能では、求められる防水性能が全く違いますよね。これを一括りに「防水」としてしまうと、混乱を招いてしまうため、防水カメラには保護等級が定められています。
その数値は現在はIPX(International Protection Code)というIPコードで示されますが、IPコードが採用される以前はJIS保護等級という方法が使われており、現在もまだJIS保護等級で表記されている場合もあります。
ここではJIS保護等級とIPコードの両方を紹介しましょう。
JIS | IPX | 防水性能 | 略称 |
0 | IPX0 | 防水性能なし | – |
1 | IPX1 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない | 防滴Ⅰ形 |
2 | IPX2 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない | 防滴Ⅱ形 |
3 | IPX3 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない | 防雨形 |
4 | IPX4 | あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない | 防沫形 |
5 | IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない | 防噴流形 |
6 | IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない | 耐水形 |
7 | IPX7 | 一時的に一定水深の条件に水没しても内部に浸水しない | 防浸形 |
8 | IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水しない | 水中形 |
防水カメラ選びのポイント
防水カメラの防水性能の基準であるIPコードを確認する他にも、防水カメラを購入するために確認するべきことがあります。
これから防水カメラを購入するのであれば、ぜひ参考にしてくださいね。
防水カメラの対応水深
IPコードが同じカメラであれば同等レベルの防水性能であると思われがちですが、それは間違いです。なぜなら、カメラの機種ごとに水深何メートルまでカメラを沈めることが可能か差があるためです。
対応水深以上の深さにカメラを持って行ってしまうと、浸水や故障の可能性がありますので、特にダイビングをするのであれば、対応水深を必ず確認するようにしましょう。
多くの水中カメラは10〜15mの水深に対応していますが、中には50mの深さまで潜れるものもあります。
F値の確認
F値とはレンズの明るさを表すものです。防水カメラの多くはレンズの交換ができないものが一般的なので、カメラ自体の性能を表していると言っても良いでしょう。
水中は基本的に暗いため、可能な限りF値の小さいレンズ、つまり暗さに強いレンズを搭載しているカメラの方がお勧めです。
カメラの性能を確認
水中では視界も悪くなりますし、細かなカメラ設定も難しくなります。そのため、自動的に被写体にピントを合わせてくれるオートフォーカス機能や手ブレ補正が付いている方が安心です。
さらにマクロ撮影が可能であれば、美しいサンゴや魚をダイナミックに撮影できるでしょう。
ダイビングにお勧めの防水カメラ3選
ダイビングをするには、水中撮影に適したIPX8のカメラが必要です。また、自分が潜る予定の深さに対応したカメラを選びましょう。
ダイビング経験者であればダイビングの水深についての知識があるかと思いますが、一般的にはアドバンスド・オープンウォーターダイバーでも最大水深30m、オープンダイバーなら最大水深18mと言われており、体験ダイビングで潜る深さは5m〜12mが多いようです。
水深15mまで対応:OLYMPUS 防水カメラ STYLUS TG-6 Tough
防水性能だけでなく防塵・耐衝撃性能もある非常に強いカメラです。
多くのアウトドアが楽しめる
耐衝撃2.1m・耐荷重100kgf、さらに耐低温-10度の性能を持っているため、ウォータースポーツに限らず登山・ウィンタースポーツなどにも利用できるアウトドアに最適なカメラです。F2.0のレンズの明るさも大きな特長と言えるでしょう。
水中モードを搭載
細かな設定が難しい水中での撮影のために「水中モード」が用意されています。水中モードを選ぶだけで簡単に美しい水中写真が撮影できるのです。
ハウジングを使用すれば水深45mまで対応
OLYMPUSにて専用の防水プロテクターが販売されており、防水プロテクターを装備すれば対応水深が45mになります。
寸法 | 約113.0(横幅)✕66.0(高さ)✕32.4(奥行き)mm |
質量 | 約253g(付属充電池及びメモリーカード含む) |
防水 | IPX8相当(JIS保護等級8級) |
対応水深 | 15m(ハウジング使用時は45m) |
焦点距離 | 35mm判換算で4.5mm〜18.0mm |
F値 | F2.0〜F4.9 |
有効画素数 | 約1200万画素 |
感度 | ISO100〜12800 |
最短撮影距離 | 標準:10cm〜 スーパーマクロ:1cm〜30cm |
ズーム機能 | 光学ズーム:4倍 超解像ズーム:8倍 デジタルズーム(静止画):4倍 |
Wi-Fi/Bluetooth | あり |
手ブレ補正 | 撮像センサーシフト式手ブレ補正 |
オートフォーカス | イメージオートフォーカス |
その他 | 水中撮影モードあり・耐衝撃・耐塵 ハウジングを使用すれば対応水深45m |
水深25mまで対応:富士フィルム FinePix XP140
FinePix XP140は水深25mまで対応という性能を持ちながら2万円台から購入できる手頃な価格が人気です。
瞳オートフォーカス機能とオリジナルなセルフタイマー機能を搭載
人間の瞳を自動で検出しピントを合わせる「アドバンストSRオート機能」を搭載しており、大切な瞬間を撮り逃しません。
また、被写体が正面を向いた瞬間や被写体が笑顔になった瞬間を撮影する多彩なセルフタイマーモードが用意されています。
コンパクトでありながら、いつでもどこでも撮影できる強さ
水深25mの防水性能・1.8mの耐衝撃性能・防塵性能・-10度の耐寒性能を持ち、スポーツや旅行などさまざまなシーンで安心して使える強さを持ったカメラでしょう。
寸法 | 約109.6(横幅)✕71.0(高さ)✕27.8(奥行き)mm |
質量 | 約207.4g(付属充電池及びメモリーカード含む) |
防水 | IPX8相当(JIS保護等級8級) |
対応水深 | 25m |
焦点距離 | 35mm判換算で5.0mm〜25.0mm |
F値 | F3.9〜F4.9 |
有効画素数 | 約1635万画素 |
感度 | ISO100〜12800 |
最短撮影距離 | 広角:約9cm〜 望遠:約1.0m〜 スーパーマクロ:1cm〜30cm |
ズーム機能 | 超解像ズーム:約2倍(光学式と併用すれば10倍) 光学式ズーム:5倍 |
Wi-Fi/Bluetooth | あり |
手ブレ補正 | 光学式(CMOSシフト方式) |
オートフォーカス | TTLコントラストAF。AF補助光付 |
その他 | 耐衝撃・耐塵 |
水深30mまで対応:ニコン COOPIX W300
ハウジングなしで水深30mまで潜れるCOOLPIX W300はシンプルでいておしゃれな外観も魅力のカメラです。スマートな見た目からは想像できないタフなアウトドアカメラであると言えますね。
アウトドアをサポートするカメラ
耐衝撃2.4m、耐塵・防水はもちろんのこと、アウトドアでの撮影を想定した多くの機能を搭載。
一目で撮影地の方位・高度・水深が分かるアクティブガイドや、撮影地に関するデータと移動ルートの記録も可能です。さらにLEDライトとしても使用できるので、暗い場所でも手元を確認できますね。まさにアウトドアをサポートしてくれるカメラと言えるでしょう。
晴天下でも見やすいモニター
アウトドアで写真撮影をする時に困る液晶の反射を防ぐため、広視野角3型液晶モニターを採用。明るい晴天下でもしっかりと画面を確認できるようになっています。
多彩なアクセサリーを準備
暗い水中での撮影に対応できる外付けフラッシュなどの純正のアクセサリーが用意されています。今までは諦めなくてはいけなかったような環境でも美しい写真が撮影できるでしょう。
寸法 | 約111.5(横幅)✕66.0(高さ)✕29.0(奥行き)mm |
質量 | 約231g(付属充電池及びメモリーカード含む) |
防水 | IPX8相当(JIS保護等級8級) |
対応水深 | 30m |
焦点距離 | 35mm判換算で4.3mm〜21.5mm |
F値 | F2.8〜F4.9 |
有効画素数 | 約1605万画素 |
感度 | ISO125〜6400 |
最短撮影距離 | 広角・望遠:50cm〜 マクロ:1cm |
ズーム機能 | 電子ズーム:4倍 ダイナミックファインズーム:2倍 |
Wi-Fi/Bluetooth | あり |
手ブレ補正 | レンズシフト方式と電子式の併用 |
オートフォーカス | コントラスト検出方式 |
その他 | 耐衝撃・耐塵 |
シュノーケリングやプール遊びにお勧めの防水カメラ
ダイビングは予定していないけれど、プールやシュノーケリングを撮影したいと思っている人も多いですよね?
その場合は対応水深が10m以内のカメラで十分です。
水深10mまで対応:ニコン COOPIX W150
子供でも使える簡単な操作性が魅力のCOOLPIX W150は家族みんなで楽しく使えるカメラです。プールや海辺などの水中でも撮影が可能なので旅行にも使いやすいですね。
子供が使える工夫
子供でも持ちやすい丸みのあるフォルムと、可愛らしいカラーバリエーションをそろえています。
また、メニュー表示はひらがなに設定することもできるので、子供へのプレゼントとしても人気のようですね。
撮影後の画像をカメラで加工
撮影済みの画像の色味補正はもちろん、スタンプ機能や漫画効果を加える機能を搭載しているので、自分の好みにデコレーションもできますね。
防水カメラは硬派なイメージのカメラが多い中で、気軽に楽しく水中撮影が可能なカメラだと言えるでしょう。
寸法 | 約109.5(横幅)✕67.0(高さ)✕38.0(奥行き)mm |
質量 | 約177g(付属充電池及びメモリーカード含む) |
防水 | IPX8相当(JIS保護等級8級) |
対応水深 | 10m |
焦点距離 | 35mm判換算で4.1mm〜12.3mm |
F値 | F3.3〜F5.9 |
有効画素数 | 約1317万画素 |
感度 | ISO125〜1600 |
最短撮影距離 | 広角:約5cm 望遠:約50cm |
ズーム機能 | 電子ズーム:最大4倍 ダイナミックファインズーム:最大2倍 |
Wi-Fi/Bluetooth | あり |
手ブレ補正 | 電子式 |
オートフォーカス | コントラスト検出方式 |
その他 | 耐衝撃・耐塵 |
まとめ
防水カメラについての基礎知識と、ダイビングやプールなどで使える防水性能のあるカメラを紹介いたしました。
自分の使用用途に合わせたカメラ選びをすれば、水の中でも安心して写真撮影ができますね!
コメント