最近は、ほぼ誰でもスマホを1台以上持っている世の中になり、コンデジはもうオワコン?と思う方もいるかもしれません。確かにスマホの出現により、ミラーレス機や一眼レフのほうが注目を浴びる機会は増えたかもしれません。
ただし、コンデジが全てなくなったわけでもありません。スマホと比較した場合のコンデジの良さとは、いったいなんなのか?そして最近再注目を集めている高級コンデジについて、今回は解説していきたいと思います。
なぜ高級コンデジが再注目されているのか?
ガラケーの時代からいわゆる、写メール(死語ですかね笑)を撮っていた人たちは、圧倒的な画質やクオリティの差があったので、コンデジを使う理由もわかったと思いますが、現代のスマートフォンカメラの圧倒的進化により、パッと見では遜色のないレベルですが、その違いはなんでしょうか。
有効画素数の違い
スマホの画素数
一番わかりやすいiPhoneの最新機種、iPhone 11 Proに関しては、画素数は1200万画素となっております。iPhone6までは800万でしたが、2015年発売のiPhone6Sから1200万画素となっております。
日本でも有名なXperiaなども1200万画素程度で、いわゆるハイエンド機でもこれくらいが一般的です。ただし、Galaxy S20だったり、Huawei P30 Proなどは4000万画素とかなりの画素数を誇っています。
高級コンデジの画素数
今回紹介する高級コンデジに関しても、2機種ほどあえて画素数を抑えた機種もありますが、それ以外は全て2000万画素を超えております。ミラーレス機もそうなんですが、近年の画素数的には、デファクトスタンダードが2400万前後の画素数となっております。
そう考えるとスマホは全体的に半分程度の画素数になるので、どうしても有効画素数は負ける場合が多いです。もちろん画素数だけではないですが、基本的には有効画素数が大きければ大きければ画質は良いと言えるので、その点は高級コンデジのメリットでしょう。
光学ズームとデジタルズームの違い
コンデジなどのズーム機能は、光学ズームというレンズの焦点距離を変化させることによってズームをしているので、画質は劣化することはありません。対して、スマホはデジタルズームという一部を拡大しているものになるので、拡大すればするほと画質が劣化します。
こちらはスマホの場合どうしようもないことで、望遠レンズなどを取り付けるなどしなければ解決することはできません。スマホ用の望遠レンズなども存在しますが、取り付けが不安定だったり、ズーム率も高級コンデジには敵いません。
撮影用の細かな設定ができるかどうか
機種にもよりますが、スマホは基本的にカメラの設定を細かく調整することができません。また基本的にはオートフォーカスになるので、ピントが合いにくい被写体を撮る際や暗い被写体にピントを合わせたい等の要望がスマホでは対応できない可能性があります。
撮影にこだわってくると、ISO感度やピント、シャッタースピードやホワイトバランスなど自分の好みを加えたりしたい場合が多いです。スマホに関してはスマホがオートで判断するものなので、自分の好みを付加した撮影をする自由が少ないと言えるでしょう。
センサーサイズの大きさ
センサーサイズには、大きく分けてマイクロフォーサーズ・APS-C・フルサイズの3種類があり、基本的にはこれが大きければ大きいほど、画質が上がったり、暗所での撮影に有利になります。
コンデジはその機体の全てをカメラに対して使えることにより、センサーサイズも大きめにできます。スマホはたくさんの機能を詰め込んでいるので、どうしてもこのセンサーサイズは小さくなります。
もちろん大きさだけで決まるものではないですが、一般的なスマホと比べるとセンサーサイズが10倍以上違ったり、さらに上のフルサイズ機と比べると30倍程度大きさが違ったりします。
ボケの作りやすさ
実用的な話でいうと、被写体を目立たせるために背景をボケさせたいというのは良くあるシーンだと思います。これはもちろん被写体や背景によるところが大きいのですが、先ほどのセンサーサイズも影響します。
細かい説明はしませんが、センサーサイズが大きいほど背景がボケやすい、と覚えておいてください。最近ではGoogle Pixel端末などは、AIによる解析を行って背景をぼかすなどもできるようになっているので、ボケを作るだけという意味では違う選択肢もできてきているなという印象です。
では、違いをわかった上で実際のおすすめの高級コンデジを紹介していきます。
おすすめの高級コンデジ
高級とは言いつつ、なるべくコスパは良いものを選定しました。カメラメーカーもなるべくバラけるようにしているので、自分に合ったコンデジの手助けになればと思います。
RICOH リコー GR III
有効画素数は2424万画素。実売価格約8.8万円。
新開発のGRレンズである、GR LENS18.3mm F2.8を搭載するハイエンドコンデジです。2019年3月に発売してから非常に評判が高く、ローパスフィルターレス仕様のAPS-CサイズCMOSイメージセンサーを搭載。
高速なAFや3軸4段の手ブレ補正、ボディも黒一色とプロが好むデザインになっています。これまでのGRシリーズよりもさらに小型化をし、性能は高性能化させた非常に完成された、欠点の少ない一台であると言えるでしょう。
SONY ソニー サイバーショット DSC-RX100M7
有効画素数は2010万画素。実売価格約12.2万円。
SONYの優れた技術力を惜しみなく投入した高級コンデジです。非常に高速な追随AFを採用しており、動く被写体に非常に強い設計となっております。連射も20コマ/秒で非常に高速で、見落としたくない1シーンを収めるために優れたコンデジとなっております。
動画撮影にも非常に優れており、瞳AFや4K動画の撮影など、Vlog(Video Blog)にも適しておりますが、SONYは最近Vlogに特化したVLOGCAM ZV-1を発売しているので、Vlog用には最注目機種です。
FUJIFILM 富士フィルム X100V
有効画素数は2610万画素。実売価格約15.2万円
昔からのカメラの良さを保ち続けているFUJIFILMの高級コンデジです。アルミニウムを採用したデザインはレトロカメラ好きにはたまらないのではないでしょうか。ハイブリッドビューファインダーという光学式と電子式を切り替えられる、贅沢なファインダーを搭載しているのが特徴です。
流行りの瞳AFや暗所での撮影にも適しており、フィルムカメラ時代からの深い経験からFUJIFILMのフィルムシミュレーションも特徴で、全17種類のフィルムシミュレーションを使うことができ、フィルムカメラ好きにも答えられる高級コンデジになっております。
Nikon ニコン COOLPIX P950
有効画素数は1605万画素。実売価格約7.8万円。
超望遠レンズを搭載しており、光学83倍ものズームを可能としている、2020年2月発売の最新機種です。ファインダーには高精細勇気ELビューファインダーを搭載しており、センサーが搭載されており、目をファインダーに近づけると液晶からファインダーに自動で切り替わります。
4K動画も搭載し、月モードと鳥モードという面白い機能も搭載しています。夜景等は自動連射合成機能という機能を使い、より鮮明に撮影することが可能です。優れた望遠機能から、運動会などで子どもを撮影したお父さんお母さんにおすすめなカメラです。
Canon キヤノン PowerShot G7 X Mark III
有効画素数は2010万画素。実売価格約8.5万円。
YouTubeに対応しており、Wifiをつなぐことでライブ配信に対応しております。欠点の少ないコンデジでスペック数値を見た感じコスパは良いと言えるでしょう。逆に言うと特徴が少し少ない印象はあります。
一眼レフや高級ミラーレスを持っている方がサブ機として使うなどの用途にはかなり適しているかなと思います。この機種はシャッタースピードなどがファームウェアのアップデートでかなり改善される機種なので、購入した際はアップデートを忘れないようにしましょう。
Leica ライカ D-LUX 7
有効画素数は1700万画素。実売価格は16.9万円。
高級カメラメーカーライカの高級コンデジです。有効画素数は1700万画素で足りないと言うよりは、抑えているというのが正しいかなと思います。ボディには欠点が少なく、他機種に比べると品質の良いレンズをつんでいるというところが大きいと思います。
ライカに関しては、ライカを持っている!ということ自体が価値にもなるので(嘘かと思いますが本当に)、ライカ好きの方やライカに入門したい方にはおすすめできる高級コンデジかと思います。
SIGMA シグマ dp2 Quattro
有効画素数は2900万画素。実売価格は約9.0万円。
最後にレンズメーカーで有名なSIGMAです。ほとんど見た目の同じ、dp0, dp1, dp2, dp3の4機種があります。ここの違いに関しては公式サイトが一番わかりやすいので以下をご覧ください。
形がかなり特徴的でかなり未来的なデザインです。SIGMAはFoveonX3というダイレクトイメージセンサーに圧倒的な自信を持っており、こちらがカメラ通の中でも大好きな人達がいます。こちらの技術を使うことにより、2900万画素から3900万画素相当までパワーアップをさせています。
コンパクトながら、非常に高性能で、他人とは一味違うカメラが欲しいという方にはぴったりです。SIGMAは良い意味でも悪い意味でも、大手カメラメーカーよりも特徴的なので、ハマる人はすごくハマりますが、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
まとめ
今回はいくつかの高級コンデジを紹介してみました。コンデジと言ってもかなり贅沢な仕様のものが増え、安価なコンデジはスマホにある程度置き換わりましたが、高級コンデジはスペックにこだわるが、スマホのように気軽に持ち歩きたいというニーズに適しています。
スマホのステップアップにミラーレスを選ぶ方は確かに多いですが、シンプルに機能や持ち歩きを考える場合は、同じ値段帯のコンデジを買うというのも選択肢になると思います。
最近のコンデジは技術力によりとても進化しているので、一度お店などに足を運んでみてはいかがでしょうか。
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