ポートレート撮影のコツ!カメラや構図を意識して被写体撮ろう!

撮影のコツ

カメラで撮影したいものは人それぞれですが、人物を撮影するポートレートに興味がある方は多いのではないでしょうか?

風景や動かない被写体と違い、人物を撮影する時は撮影方法だけで写真が決まるのではなく、被写体の一瞬の表情と動きで全く違ったイメージの写真に仕上がります。例え同じ被写体で撮影をしても、イメージ変えれば同一人物とは思えないほどの違いが期待できるでしょう。

つまり人物撮影で必要なのはカメラの知識とテクニックだけではないのです。この記事ではポートレート撮影のコツや被写体の魅力を引き出す方法を紹介しましょう。

ポートレートについて

そもそも、ポートレートとは何か?説明していきましょう。言葉自体は多くの人が知っているのですが意外と正確な定義は知らない人もいるようです。

ポートレートとは人物がテーマである創造物全てを言います。そのため写真に限らず、絵画でや肖像も人物が被写体であればポートレートと呼ばれます。

スマホやカメラの「ポートレート撮影モード」は被写体を引き立て、背景をぼかした設定が多いようですが、実際には背景がぼけていなくても被写体が人間であればポートレートであることに変わりはありません。

また、例え画像に被写体の顔が写っておらず体の一部分のみが写されていたとしても、それが画像の主役であるのなら、それはポートレートに分類されます。

ポートレート写真とスナップ写真の違い

ポートレートと同じく、人物を撮影する写真にはスナップ写真も存在します。ポートレート写真とスナップ写真の違いは何でしょうか?その違いを説明しましょう。

スナップ写真

スナップ写真は被写体の自然な姿を撮影するものです。

例えば撮られていることに気付かなかったような自然な瞬間を撮影される写真がスナップ写真です。被写体の自然な動きの一瞬を写真に納めるということですね。

ポートレート写真

ポートレート写真はカメラマンがポーズや表情を指示した上でする撮影です。スナップ写真との違いは「被写体の意識」であり、「撮られる写真」がスナップ写真・「撮らせる写真」がポートレート写真と区別してください。

ポートレート写真でもスナップ写真のような自然な表情を撮影できれば、写真だけを見るとどちらか判断ができない場合もあります。

ポートレート撮影に最適なレンズ

もちろんどのレンズでもポートレートを撮影できますが、人物の撮影はやはり背景のボケが強い方が被写体が映えやすくなるなどのメリットがあります。

ここではポートレートに向いているレンズの特徴をお伝えします。

単焦点

単焦点レンズとは文字通り一つの焦点距離しか持たないレンズのことを言います。ズームができないレンズと言えば分かりやすいですね。明るいレンズが多く、強いボケを表現できます。

画角が固定されているため、構図の感覚がつかみやすいという特徴もありますす。ポートレートは相手が人物ですので、モタモタと構図を悩むよりも、直感的に撮影が行える方が良いでしょう。

また、構図を学びやすいのでポートレートに限らず初心者がまず購入するべきレンズだと言われています。

中望遠

レンズには広角レンズ・標準レンズ・望遠レンズがあり、それぞれ撮影できる範囲や写真の仕上がり変わります。

中望遠レンズは標準レンズと望遠レンズの中間にあたり、焦点距離で言えば75mm〜135mm程度のレンズのことです。

望遠レンズのように強いボケを表現でき、標準レンズに比べて背景が被写体にグッと近づいたような画像が撮影できます。

さらに中望遠レンズであれば被写体と距離を保ちながら撮影ができるので、屋外の撮影に最適です。しかし、狭い店内や室内で撮影をする場合には被写体との距離が保てないというデメリットもあります。

つまり、単焦点の中望遠レンズがポートレート撮影に最適なレンズと言えますが、使用場所や用途を考えて検討する必要がありますね。

狭い室内でスナップ写真のようなポートレートを撮影することが多いのであれば、中望遠はお勧めできません。室内撮影でもスタジオのようなスペースで撮影を行うのであれば中望遠で大丈夫でしょう。

ポートレート撮影のコツ

上手にポートレート撮影をする方法はコツを覚えてしまえば難しいことではありません。こちらで紹介するポートレート撮影のコツはほんの一例なので、どんどんアレンジを加えてくださいね。

背景をぼかす

ポートレート撮影と言えば背景のボケですが、やはり被写体を際立たせる方法として最適です。背景がゴチャゴチャとしたような場所でも、ボケを使うことで被写体を引き立てることができますね。

絞りを開き、F値を低く設定して背景をぼけせるだけぼかしましょう。とはいえ、F値が低いとピントが合う範囲が狭くなるのでピンぼけへの注意も必要です。

同じ構図やアングルばかりにならないようにする

ポートレート撮影は一度の撮影で何百枚もの写真を撮影すると思いますが、意識をしなければ同じような写真ばかりになりがちです。

ベストショットは一枚ではありませんので、ポージングはもちろんさまざまな構図やアングルから撮影をしましょう。

光を操る

写真は光によって出来上がりが大きく左右されます。光を上手に操れば美しく雰囲気のある写真に仕上げることができるでしょう。

光の種類によって変わる被写体のイメージを説明します。

順光

順光撮影は太陽→カメラ→被写体の順番の状態での撮影です。

人の顔は明るくなりますが、被写体から見てカメラと太陽が同じ方向にあるので眩しくなってしまい、単純に表情が作りにくいです。

さらに顔の陰影がはっきりと出やすいのでほうれい線やシワが目立ってしまいます。曇りの日であればほどよい光量になる場合もありますので天候次第であるとも言え、晴天の日には難しい撮影方法です。

逆光

逆光はカメラ→被写体→太陽の順番の状態の撮影で、一般的にはポートレートは逆光で撮影するのが良いと言われています。

背景と人物の明暗差があり、くっきりとした境界線ができます。アンダーで撮れば人物の美しいシルエットを撮影できますし、顔に露出を合わせると柔らかく光が回り込んでシワなど細かい肌の凹凸を消してくれ、髪にもツヤが出ます。

露出を上げないと顔に影がかかってしまう場合もありますので、その場合はクリップイオンストロボを使うか、レフ板で光を反射させて影を消しましょう。

半逆光

半逆光は逆光に少し角度がついた撮影方法で、被写体の斜め後ろから光が当たるような状態です。こちらの撮影方法もポートレート撮影に人気があり、特に女性を美しく見せてくれます。

人物の顔に柔らかい影ができるので、その影をレフ板で調整しても良いですねし、そのままの影を楽しんでも良いでしょう。

アイキャッチ

順光・逆光・半逆光とは違う種類の光を取り入れた撮影手法がアイキャッチ。

アイキャッチは画像全体の光のことを言っているのではなく、被写体の瞳の中に光を映し出すことを言います。漫画やアニメの瞳の中にある輝きがアイキャッチです。

アイキャッチのある被写体は生き生きとしたイメージになりますね。太陽や照明そのものをアイキャッチにしてもよいのですが、光は白いものに反射しますので白いものであれば光っていなくても大丈夫です。明るい場所であれば被写体の視線の方向にレフ板・白い紙・白い手袋を付けて手を上げるだけでも上手にアイキャッチが入れられますよ。

また、アイキャッチはなくてはならないものではなく、クールなイメージやアンニョイな雰囲気を出したい時にはアイキャッチがない方が画像のイメージに適している場合もあります。

被写体の魅力を引き出すコツ

ポートレートは他の撮影と違い、被写体とカメラマンが二人で力を合わせて写真を作り上げていく特殊な撮影だと思います。

カメラマンも、どうすれば被写体の魅力を引き出しながらイメージ通りの画像が撮影できるかを考えますし、その意向を被写体に伝えなくてはいけません。

ここではポートレート撮影時の被写体へのアプローチとコミュニケーション方法について紹介します。

目指している雰囲気と要望を被写体に明確に伝える

被写体を撮影するのが目的の撮影だとしても「かわいく」「きれいに」「かっこよく」くらいのイメージがなければ撮影は進みませんよね。

もし被写体が「かわいい表情をつくろう」と思っていて、カメラマンが「クールな感じに仕上げよう」と考えていたらイメージが噛み合わないため、良い作品は出来上がりません。

どのような写真を取るために、どのような表情と動きをしてほしいのかを指示しましょう。

可能であれば「あの映画のあのシーンのような」や「好きな人にこれから会いに行く前のような」など被写体がイメージを想像しやすい設定を伝えてあげると良いでしょう。

無言で撮影し続けない

撮影に夢中になってしまうと、ついつい被写体とのコミュニケーションを忘れてしまい無言で撮影を続けてしまったりしますね。険しい顔をされたり、首をかしげられたりすると被写体は不安になってしまうものです。

よくテレビなどでモデルを撮影しているカメラマンがモデルを絶賛しながら撮影している光景を見ますが、あれは理に適っているわけです。

なかなか光や構図の調整が上手くいかなくても被写体には話しかけるようにして説明をしながら撮影を進めましょう。また、良い表情や動きが見られれば評価します。

撮影中は何度も撮影した画像を一緒に確認し、被写体と一緒に画像を作っているという意識を忘れないようにしましょう。

撮影するイメージと撮影現場のイメージを合わせる

例えばダークなイメージの写真を撮影しているのにニコニコと楽しい話をしながら撮影をするのは被写体が表情や気持ちの切り替えをする負担が増えるだけです。

その時撮影するイメージに自分の態度も合わせるようにしましょう。いかに被写体と信頼関係を築けるかで被写体から引き出せるものが変わってきます。

ポートレート撮影の注意点

ポートレート撮影には注意するべき基本的な注意点があります。少し気をつけるだけで仕上がりが大きく変わりますので、理解しておきましょう。

背景の水平に注意する

外でポートレートを撮影する時に、背景が水平でないと被写体に集中しにくくなります。例えば背景の海の水平線が斜めの場合などですね。あえてそのような手法を使うのなら別ですが、一般的には水平を心がけてください。

被写体に正面を向かせない

こちらも意図的に真正面を向かせない限りは、基本的に被写体は顔だけカメラを向いてもらい体は斜めの状態にしてもらいます。

撮影に慣れているモデル経験のある方ならポージングを理解しているので、自然とそのような仕草になるでしょう。

真正面を向いた写真は、どうしても証明写真のようなイメージになってしまいますし、被写体のスタイルもきれいに写りません。

手前にある目にピントを合わせる

ポートレートの主役は被写体であり、被写体のイメージの中心は基本的にです。

両目にピントが合わせられると良いですが、被写体の顔がカメラに対して角度がある場合はそれが難しくなる場合もあるでしょう。

その時には手前にある目にピントを合わせてください。手前の目がぼやけてしまうと、被写体全体のイメージが弱いものになります。

首切り構図を避ける

被写体をアップで撮影する場合、無意識でいると被写体の首が写真の途中で切れてしまうことがあります。このような構図を首切り構図と言い、写真を見た人にあまり良い印象を与えられません。

対処法としては、もう少し高い位置の構図にし、被写体のおでこで構図を切ってしまいましょう。人物の画像は首と肩が合った方が安定感があるのです。

カメラに任せた撮影

可能であればポートレートはマニュアルモードでの撮影がお勧めです。なぜなら、ポートレートは他の写真よりも特に雰囲気に重きを置いた撮影だからです。

被写体がしっかり明るく写っていれば良いという考えでは、ポートレートで被写体の魅力を引き出すことは難しいですよね。

光や影を操りながら撮影をするためにも、マニュアルモードでの撮影が良いですが、どうしても使い慣れない場合は絞り優先モードでの撮影を選びましょう。

撮影許可が必要な場所での撮影

屋外撮影の場合は、その場所が撮影許可の必要な場所かどうかの確認をします。思っているよりも撮影に対して許可が必要な場所は多いです。

写真の使用用途によって制限が変わってくるものなので、撮影予定の場所を確認し、直接問い合わせてみると良いでしょう。

まとめ

ポートレート撮影のコツや注意点をまとめました。やはり人物を被写体にするのは楽しく、その瞬間の表情や動きを一枚の写真に残すことができる素晴らしい撮影であると言えます。

動かない物を撮影するよりも難易度は上がりますし、被写体とのコミュニケーションという撮影以外の別のスキルも必要です。しかし、その分奥が深く楽しみも多いものですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

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