360度の静止画や動画撮影ができるRICOH THETA(シータ)は全天球カメラです。日本ではまだ360度カメラが一般的でなかった頃に発売され、日本の360度カメラの先駆けとなったと言っても過言ではなりません。
しかし、撮影方法も撮影できる画像も今までのカメラとは全く違うため、購入しても取り扱い方法に困っている方もいるようです。この記事ではTHETAでの撮影のコツやTHETAの機種別の特徴などを紹介しましょう。
すでにTHETAをお持ちの方も、これから購入予定の方も、ぜひ参考にしてくださいね。
RICHO THETAの機種別の特徴
RICHO THETAには同じ360度カメラとして何種類もの機種が販売されています。それぞれの機種に優れた特徴があり、購入者のタイプ別にお勧めの機種が変わりますので、自分には何が最適であるかを考えましょう。
RICHO THETA Z1
THETA Z1はTHETAシリーズの最上位機種です。全ての性能において優れており、その分価格は上がりますが、RICHOの誇る多くの優れた性能を搭載しています。最上位機種を希望するのであればTHETA Z1を選べば良いでしょう。
THETAシリーズで初の表示パネル搭載
THETAシリーズにずっと搭載されていなかった表示パネルが初めて採用され、撮影モードや撮影可能枚数、電池残量が表示されます。これだけの機能を搭載させながら本体サイズは他機種と大きな差がありません。
また、ボディには堅牢性を備えたマグネシウム合金が使用されおり、高級感あふれる外観に仕上がっています。
夜景や薄暗い室内でも撮影できる
1.0型裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載しており、今までのRICHO THETAシリーズが得意ではなかった夜景や薄暗い室内でも撮影でもノイズ軽減性能を発揮しています。
また、精度の高い繋ぎ処理で自然な360度画像が撮影できます。
発売日 | 2019年5月 |
外形寸法 | 48mm(幅)×132.5mm(高さ)×29.7mm(奥行き) |
質量 | 約182g |
有効画素数 | 約2000万画素 |
静止画性能 | 6720×3360ピクセル |
マイク | 4ch |
表示パネル | あり |
内蔵メモリ | 約19GB 静止画:JPEG約2400枚 動画:1回の記録時間最大25分間・合計約40分 |
撮影距離 | 約40cm〜無制限(レンズ先端より) |
撮影モード | 静止画・動画:オート、絞り優先、シャッター優先、ISO優先、マニュアル ライブストリーミング:オート |
ISO感度 | 静止画:ISO80〜6400 |
使用温度範囲 | 0度〜40度 |
主な搭載機能 | ・RAW記録 ・絞り優先撮影 ・セルフタイマー撮影 ・リモート撮影 ・ノイズ低減撮影 ・ DR補正撮影 ・HDR合成撮影 ・インターバル撮影 ・インターバル合成撮影 ・マルチブラケット撮影 ・天頂補正 ・位置情報記憶 ・手振れ補正 ・360度空間音声 |
RICHO THETA V
THETA VはTHETAシリーズでも一番スタンダードな機種であり、ミドル機種と言えるでしょう。Z1に極めて近い性能を持ちながら価格も抑え、優れた機能を搭載しているのです。
4chマイクで4方向からの音声をキャッチ
本体に本体に4つのマイクを内蔵し、動画撮影時には4方向からの音声を独立して記録可能です。リアリティあふれる天球体映像が残せるでしょう。
360度ライブストリーミング画像を世界に発信
360度のライブストリーミング動画も4K動画に対応。迫力ある映像をリアルタイムでインターネット配信することが可能です。
発売日 | 2017年9月 |
外形寸法 | 45.2mm(幅)×130.6mm(高さ)×22.9mm(奥行き) |
質量 | 約121g |
有効画素数 | 約1200万画素 |
静止画性能 | 5576×2688ピクセル |
マイク | 4ch |
表示パネル | なし |
内蔵メモリ | 約19GB 静止画:JPEG約4800枚 動画:1回の記録時間最大25分間・合計約40分 |
撮影距離 | 約10cm〜無制限(レンズ先端より) |
撮影モード | 静止画:オート、シャッター優先、ISO優先、マニュアル 動画:オート ライブストリーミング:オート |
ISO感度 | 静止画:ISO64〜1600 |
使用温度範囲 | 0度〜40度 |
主な搭載機能 | ・セルフタイマー撮影 ・リモート撮影 ・ノイズ低減撮影 ・ DR補正撮影 ・HDR合成撮影 ・インターバル撮影 ・マルチブラケット撮影 ・天頂補正 ・位置情報記憶 ・手振れ補正 ・360度空間音声 |
RICHO THETA SC2
THETA SC2はTHETAシリーズの中でも特に手頃な価格での販売を可能にした日常使いがしやすい機種になっています。4色のカラフルな外観で誰にでも使いやすい操作性ができるようになっています。
まずは試しに購入してみたいと思う方にお勧めです。
スマートな操作性で簡単撮影・簡単共有
無駄なボタンや機能は一切なく、直感的に操作ができるシステムが考え抜かれています。撮影はもちろん、スマホとの連携・SNSへの画像アップ作業もスムーズなため、誰にでも扱いやすいでしょう。
初心者向けの機種でありながら表示パネルを搭載
今まで最上位機種にしか搭載されていなかった表示パネルが搭載されているSC2。手頃な価格とは思えないほどの機能とデザインを叶えました。
発売日 | 2019年12月 |
外形寸法 | 45.2mm(幅)×130.6mm(高さ)×22.9mm(奥行き) |
質量 | 約104g |
有効画素数 | 約1200万画素 |
静止画性能 | 5376×2688ピクセル |
マイク | 4ch |
表示パネル | なし |
内蔵メモリ | 約14GB 静止画:JPEG約3000枚 動画:1回の記録時間最大3分間・合計約115分 |
撮影距離 | 約10cm〜無制限(レンズ先端より) |
撮影モード | 静止画:オート、シャッター優先、ISO優先、マニュアル 動画:オート |
ISO感度 | 静止画:ISO64〜1600 |
使用温度範囲 | 0度〜40度 |
主な搭載機能 | ・セルフタイマー撮影 ・リモート撮影 ・ノイズ低減撮影 ・ DR補正撮影 ・HDR合成撮影 ・インターバル撮影 ・マルチブラケット撮影 ・天頂補正 ・位置情報記憶 ・手振れ補正 |
RICHO THETAの使い方
RICHO THETAは一般的なカメラとは撮影方法も撮影できる画像も違います。そもそもカメラの構造が全く異なりますので当然のことですね。
ここでは基本的なTHETAの撮影方法をお伝えしましょう。
THETAアプリのインストール
THETAは、スマホやタブレットに連携させて撮影・加工をするカメラです。そのためアプリのインストールが一番最初に行う作業になります。
iOS・Androidそれぞれに専用アプリが用意されていますので、ストアで検索してみましょう。また、撮影と加工は別のアプリを使用しますので、両方インストールしておくと良いですね。
スマホとTHETAの連携
インストールしたTHETAアプリを立ち上げると、すぐにスマホと連携が可能です。求められるパスワードはTHETA本体の下部に印字されている8桁の数字になりますので、そのまま入力してください。
連携が完了し、その後はスマホからワンタッチで撮影ができるようになります。
スマホと連携せずに撮影する方法
THETAは単体でも撮影のみが可能です。しかし、撮影前に画像の確認ができませんので使用頻度は低いかもしれません。
THETA本体で撮影をする場合には、本体の電源を入れて撮影ボタンを押すだけです。撮影後にスマホと連携して撮影画像を転送しましょう。
THETAの細かな設定①:「撮影設定」
とても簡単に撮影ができるTHETAですが、細かく設定をしてこだわりの映像を撮影することもできます。
その場合はTHETAアプリの「撮影設定」画面から調節を行います。機種によって設定できる内容は変わりますが、特徴的な設定内容は以下となります。
撮影方法の選択
通常撮影・インターバル撮影(撮影間隔が指定できる)・セルフタイマー撮影(秒指定が可能)・マルチブラケット撮影の4種類が用意されております。
色温度指定
一般的なカメラで言う「ホワイトバランス」の設定です。数値を変更することで画像の色味を自分好みに変更することができます。数値を高くすれば赤みのある温かい雰囲気・低くすれば寒色系のシャープな雰囲気に仕上がります。
その他には画像サイズやシャッター音量の変更の設定が用意されています。画像サイズは大きいほど綺麗ではありますが、転送作業に時間がかかったり、データ圧迫の可能性もありますので、使いやすいサイズに留めておきましょう。
THETAの細かな設定②:「撮影しながらの調整」
先ほどの撮影設定以外にも、THETAは画像撮影をしながら画像の調整もできるようになっています。
スマホのアプリ画面では中央にシャッターボタンがありますが、その画面でEV調整と色温度の調整も可能です。
EV調整
一般的なカメラで言う「露出補正」にあたります。プラスにすると画像全体が明るくなり、マイナスにすると暗くなります。
撮影前に自分の好みの明るさを設定しておきましょう。
色温度の調整
撮影設定画面にて色温度の設定をオンにしておけば、撮影画面でも再度色温度の調整ができるようになっています。実際の画像を見ながら微調整ができるので、こちらで設定をした方が良いですね。
RICHO THETAの撮影テクニック
THETAの基本的な撮影方法をお伝えしましたが、そのまま撮影に挑むと被写体を上から手持ちで撮影した同じような構図ばかりになってしまい楽しめません。
ここではRICHO THETAのテクニックとしてお勧めできるものを紹介してみましょう。
スタンドなどを使用する
THETAは手持ちで撮影もできますが、どうしても指の写り込みが気になってしまいます。そのため撮影にはスタンドやスティック(自撮り棒)を使用するのが一般的です。
THETA自体が非常に軽量なため、アクセサリーも軽く小さな仕様が多いため荷物が増える心配もいりません。
スタンドでTHETAを立てて撮影するだけで、普段とは全く違った映像が撮影できますね。
また、手持ちで撮影をしたいのであれば、THETAの両端を親指と人差し指で挟むように持ち、セルフタイマー撮影をすると、指の写り込みを防げます。
THETAと自撮り棒は真っ直ぐにする
自撮り棒の多くはTHETAに角度をつけることができ、THETAだけお辞儀をしたような状態にも配置できますが、そのような状態では自撮り棒がしっかりと画像に写り込んでしまいます。
THETAと自撮り棒を直線に装着すると画面上自撮り棒は消えますので、装着時は角度を付けないようにしましょう。
THETAを地面に置く
転倒に気をつけながらも、THETAを直に地面に置くと、ローアングルで迫力のある映像が撮影できます。複数の友人全員で景色とともにポーズを取るのも良いですね。また、足長効果が期待できる画像になるでしょう。
パーティーの席でテーブルの上にTHETAを置いて参加者と料理をテーブルから見ているような映像を撮影するのも人気のようです。
まとめ
RICHO THETAの機種別の特徴と基本的な撮影方法・撮影テクニックを紹介いたしました。THETAは撮影してから加工を楽しんだり、SNSでの共有を目的としたカメラでもありますので、撮影後も自分らしい楽しみ方を探してみましょう。
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